雪降る営業車内で・・・(2)

えるち*//さんのブログ

雪降る営業車内で・・・(2)

「えるちさん、そんなに怒らないで?」

「信じられない。昨日、わたしのワイシャツの胸元、コーヒーで汚すなんて・・・」

「わかった、ごめん。」

「ごめんじゃ、収まらないです!あのワイシャツ、わたしのお気にだったんですよ!」

「そうだったんだ。」

「はい、あの、ワイシャツクリーニング代、請求させてもらっていいですか?」

「いいよ。それより、新しいの買った方がいいんじゃない?おれ、払うから」

「いいんですか!」

「うん」

「えーやったー!」

えるちは大好きな東京シャツがもう一着変えると知って、とたんに笑顔になった。

「ありがとうございます!次はどんなシャツにしようかな」

「・・・わかりやすい」

主任がぼそっと言った

「あのさ、えるちさん、今日桜地区一緒に保全まわるだろ?」

「はい、午前中は桜地区ですね。あ、わたしひとりで回りますよ?」

「波木自動車と近藤さんとこは、おれもいくわ。ずっと俺担当だったから。波木自動車には、ノーマルタイヤ交換の予約もしたいしさ。あとアンケート配布のお願いもするだろ?」

「そうですか・・・」

「なに、そのかお」

「いやべつに・・・」

「それでさ、お昼にパムの木でオムライス食べよう!」

「やった〜!オムライス好きなんですよ」

「知ってる・・・」

「え?」

「自己紹介の時言ってたぞ」

「覚えててくれたんですか?」

「部下の好きなものくらいは・・・」

「くらいは?」

「いいから、ほら、支度して外回りいくぞ」

「はーい♪」

 

ランチ時、パムの木は混んでいた

「座敷でもいいですか?」

店員に言われ、二人は座敷にあがった。

ふわとろオムライスは、オーダーから5分で出てきた。

「いただきま〜す」

「美味しいですね。卵ふわふわ」

「うん、美味いな」

「波木自動車、アンケート配布OK出てよかったです。ありがとうございます!」

「うん」

「主任は、どんな食べ物が好きですか?」

「う〜ん、どんな・・・卵料理とか・・・」

「へ〜!自分で料理するんですか?」

「目玉焼きくらいはつくるよ」

「目玉焼きって・・・2つ並ぶと・・・なんかエロいですね?」

「は?馬鹿かお前 いつもそんなこと考えてるのか」

「冗談ですよ 主任が目玉焼きっていうから・・・や、ほんと、この前、目玉焼き2つをせいろで蒸してつくったんですよ。そしたら、卵黄がせいろの中でゆっくり・・時間をかけて・・・ピンク色に蒸されて・・・ぷっくりしてたんです」

「ははん・・・こんなランチタイムにそんなこと言い出すなんて・・・教育不足のなんたるか・・・あとで指導が必要なようだ・・・えるちさん、お客様の前でその話は厳禁だからな。わかったか?」

「はい♪わかりました♪気を付けます」

「わかったなら、それ食べたら昼からは緑地区まわるぞ」

「はい、あ、正座してたら足痺れた・・・」

「だいじょうぶか?」

「はい、いたたた・・・しばらくすればだいじょうぶです・・・痺れやすくて」

顔をしかめながら笑顔をつくると

「・・・しびれやすいんだ・・・?」

「はい・・・え?からかってるんですか?」

「もっと痛がってみて・・・?」

「いやです、主任こそなんですか?ランチ時に・・・」

「ああ、ごめん、つい・・・」

「あとでおぼえててくださいね・・・」

「わかったお会計済ませてくるから」

「はい」

ふたりの営業車は、今日は主任のワゴン車だった・・・

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